Jun 8th, 2009

Oud

090607_20170001昨日は日曜日でしたが、バイト。

いつもはサルサバーですが、この日はアラブ音楽のOud(ウード)奏者である常味さんの演奏会。カルチャースクールのベリーダンス教室が主催されたそうです。
昼間の仕事が休みなので、働きたくないなぁとも思ったんだけど、アラブ音楽というのに惹かれてバイトしてきました。

ベリーダンスってどんな音楽でやってるのか記憶になかったんだけど、アラブ音楽のなんとなくのイメージはあったので楽しみでした。勝手にウードをモンゴルの二胡あたりでイメージしていたら、二胡どころか弦が11本(笑)。日本、中国で言うところの枇杷、ヨーロッパで言うところのリュートに近いものでした。(事前に調べなかったので…)

アンプを使わず生音での演奏、奏者の真上にクーラーがあるのでクーラーも切って静かな環境での演奏でした。というわけであたしも演奏中はお仕事中断、落ち着いて楽しませていただきました。役得。

最初は音階の説明から。普通のドレミとは微妙にずれる音階。音階を聞くだけでアラブっぽい感じ~。なるほどと思いました。初めて聞くと気持ち悪いでしょ?と仰ってましたが、パキパキと割り切れる感のある通常のドレミの音階に比べて趣というか温かみがあってけっこう心地よかったです。

奏者の常味さんは、wikipedia(jp)のウードの項にも第一人者として名前を挙げられるほどの方ですが、フランクに音楽や楽器、衣装などいろんな話をしてくださって、門外漢のあたしの中の知識にいくつかアラブ音楽を結び付けてくれました。
宗教音楽としても使われているというようなお話があって、以前観た映画(クロード・ルルーシュ監督の「しあわせ」)でトルコの宗教舞踏が出てきたのを思い出したの。セマーゼンというらしい。真っ白のドレスのような衣装で肘を上げ、体を斜めにし、トランス状態でくるくると旋回するという、印象深い踊り。実際の映画のそのシーンで音楽があったか、あったとしてどんな音楽だったかは思い出せないんだけど、演奏にそのイメージがぴったりとはまってしまったのでした。

それにしても、曲紹介のときに現地のタイトルを日本語訳してくれるんだけど、「これは日本語で“私の”、そしてこれは“命”。私の命という意味なんですね」と、日本には無いような熱いタイトルであることをお話されたときにとっさに頭に浮かぶのは“mi vida”、スペイン語で“私の命”(サルサではよく出てくるフレーズ)。「この歌手(ウム・クルスーム)は美空ひばりをもっと中国や韓国エリアまで広げたくらいの人気のひとで」というのを聞けば、ああ、celia cruzなんやな、とか。どうも最近、入ってきた情報を南米方面にトランスレートする癖が…。
まぁ、アラブ音楽に引きずり込まれそうな感覚を味わいつつも、ふと視線を上げると奏者の同アングルに収まるプエルトリコの旗やらタオルやらがあったりするので、あながちあたしの頭の中の問題だけではないと思いますが(笑)。

そうそう、以前流行した女子十二楽坊の「自由」、これってほんとはトルコ古典音楽(「ロンガ・シャーナーズ」というタイトル)なんですって。ということでウードで演奏していただいたのは確かにメロディは同じですが、しっかりとアラブ音楽でした。なるほど。あ、ということはウードで二胡をイメージしたのもあながち間違いじゃないのかも?楽器としてはまったくの別物ですが、たぶん大陸的というあたりで。…とか言い訳してみようとしましたが、吟遊詩人的なイメージのリュートのほうがやっぱり近いです。ごめんなさい。

そうそう、そいえば地中海ってアラブ諸国が占める割合のほうがヨーロッパ圏より多いんですよね。常味さんが仰っていて気が付きました。
そして最後に演奏された曲は事前にアンダルシアっぽいですよと言われてましたが本当に!手拍子とかタップとか入りそうな感じでした。でも中盤はやっぱりアラブ。島国ニッポンには存在しない、地続きの文化なんだよね。古くから島で孤立している日本とはやっぱりスケールが違うんだよねぇ。
自らの文化、言葉を大事にするというのも地続きだからこそなのかも知れません。見習わないとねぇと思いました。

…と、なんかすっかり意味不明に長文になりましたが、雑感ということで。
生でウードの演奏を聴くなんて、滅多にないいい経験をさせていただきました! :)

by nao :: 17:22 :: diary, shizuoka life

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