Jul 27th, 2005

もひとつひさびさに…

輝く月を見た。
ここのところずっと夜空は薄い雲に隔たれてしまっていて、いつ見てもほんのり白みがかったグラデーションだった。
大雨が去って、まだ雲はあちらこちらに散らばっているけれどその隙間には濃い碧色をした夜空が輝いているのが見える。月も白金色に輝いている。
ベランダには大雨で心ゆくまで水分を吸い込んだハイビスカスの葉が葉の上についた水滴までも吸い込んで生き生きと夜空に向かって手を伸ばしている。
ああ、この子は台風の多い沖縄の子だものね。なんて思いながら夏が来ていることを実感した。
ああ、夏が来ている。

今日ようやく読み終えた、長らく読みかけのまま放置していたサン=テグジュペリの「南方郵便機」にこんな一節があった。

僕は今、思い出す、君があんなに好きだったニイチェのあの言葉を、
「短くも寂しくも幸多かりし暑きわが夏」

 
夏が来ている。

by nao :: 01:28 :: diary

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6 comments


  • と、こんなところにコメントしても・・・と思わなくはないのですが・・・
    初めまして。
    サン=テグジュペリで検索していて、ヒット。何となく気になってお気に入りに入れたのですが、そのままになっていました。
    ゆえあって彼の作品を読み始めました。『星の王子様』の作者というイメージがものの見事に破砕されました。いま腰を据えて彼の作品を読んでいます。

    なんだか気持ちの良いブログですね。
    これから時々、おじゃまするかもしれません。その時はよろしくお願いします。

    でも、確かに、この「南方郵便機」はなつによむべきだったかもしれません。

    by toshi — November 28, 2006 @ 3:00 am

  • toshiさん、はじめましてー。
    コメントありがとうございます。 :)
    サン=テグジュペリの本、静寂さというか何か透き通ったものを感じてとても惹かれます。文庫で出ているものが少ないのが残念ですが…。

    つらつらと日々のくだらないことを書き綴っているサイトですがまたどうぞお暇なときに覗いてみてくださいね。 :)

    by nao i — November 29, 2006 @ 12:16 am

  • また来ました。先ほどページがすっとんでしまったので、ひょっとするとコメントがダブっているかも知れません。その時はすいません。

    サン=テグジュペリまだ読み切りません。
    けれども、透明と静寂・・・私はぜんぜんそうは思いませんでした。もっと、硬質な、パワフルな・・・を想像していました。どうなのでしょうか?
    けれども、言われてみると、確かに透明と静寂というのは分かる気がします。
    どうも、私は彼が、こちら側の世界にいなくて、向こう側にいるような気がします。だから不思議な言葉の感覚になるのか、と。でも翻訳だから・・・

    by toshi — November 30, 2006 @ 5:44 am

  • コメント大丈夫でしたよー。

    ええ、硬質な…というの、分かります。
    それと向こう側にいるようなというのも。
    うまく表現出来なかったので書かなかったのですが、なんとなく“何か”越しの視線を感じるのです。ガラスみたいだけど、ちょっと違うような。もしかしたらそれこそ飛行機の防風ガラスなのかも。
    『南方郵便機』で描かれている街のひとたちとの違和感とも通じるところがあるかなとか。

    翻訳…やはり大學氏のですか?
    時代を感じさせますよねー。割と好きなんですが、すらすらっと読むにはちょっと難しい…。
    原文だとどんな感じなのでしょうね。

    by nao i — December 1, 2006 @ 12:49 am

  •  堀口大學の訳です。
     なんか私のコメント、日本語がおかしいですね・・・

     サン=テグジュペリは、<この世界>の異邦人だと私は思っています。しかも境界線上にいるような、そんな世界をもっているのではないか、と。そういう気がします。

     フランス語・・・二の足どころか十の足くらい踏みそうです。あの入り組んだ文体には、本当の感触がどうなのか確かに興味を引かされますね。
     もうしばらく彼のものを読み続けようと思っております。

     ブログのURL残しておきました。もしこちらにお越しのおりはお気軽にお立ち寄りください。
     ただしめちゃくちゃに個人的なドロドロのブログなので、すがすがしい気持ちとは縁遠いです。
     ついで、私のブログ、このところ不審なアクセスが多発しているので、リスクを回避するためにコメントやトラックバックは管理者だけがみることができるように設定してあります。

    by toshi — December 4, 2006 @ 12:38 am

  • こんばんは。
    うちのお気に入りの本のひとつにリチャード・バックの『イリュージョン』があります。
    サン=テグジュペリのものとはまた違った話ですが、でもやっぱり一種独特な存在。
    なんとなく飛行機に魅せられたひとってtoshiさんがおっしゃるような独特の世界観を持ってるのかもなぁなんて思いました。

    ブログ、ちらとお邪魔しました。
    言葉をとても大事にしてはりますね。
    またゆっくり時間をとってお邪魔させていただきます。 :)

    by nao i — December 5, 2006 @ 12:06 am


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