Apr 10th, 2006

正解

まだあたしが短大生だった頃、秘書検定というものを受けたことがある。秘書検定2級。(秘書検定って認定元によって二種類あるようだけど楽なほうだった)
申し込んでからテストまでの間に就職内定もらってたのでどうでもよかったので(いや、基本的にどのテストでもそうなんだけど)一切勉強をしていなかったあたしはほぼぶっつけ本番でテストを受けた。
事前に友だちの持ってた参考書(?)でちらっと見た内容が出てきたりしてなんだかんだで答えられてしまったあたし。
でも最後のほうでつまずいた。今でも覚えている。

どんな問題だったかというと、書き問題で
「母親が亡くなって10日ぶりに出社してきた部長にどのように言葉をかけるか?」
というものだった。

あたしは頭の中で「え?ご愁傷様でした?かなぁ?でもあたしだったらイヤだ…。」けど他にそれらしい言葉が見つからず、
解答用紙に書いた言葉は、

「なんと申し上げていいやら…」

これが正解になったのかダメだったのかは分からないが秘書検定はなぜか受かった。
ちなみに参考書を見せてくれた友だちは落ちた。人生とは不公平なものだ。

思えばこのころからだったわけだけれども、定型文というものがキライだ。
感情までをも定型にはめようとするわけだ。

もし今また同じ問題を出されたら(もしくは今の職場で上司が同じ状態になったとしたら)あたしはやっぱり
「なんと申し上げていいやら」になるんじゃないかと思う。
ぴったり来る言葉が見つからないときは、無理に当てはめる必要なんてなくって、伝えたい気持ちがあるのなら、その気持ちが言葉にならないことを伝えればいい。
前にもどこかで書いたかもしれないけれど、実は写真のほうのサイトで一番うれしかったのはこんな感じの、“何かを感じたけどなんだか分からない”というようなコメントだった。ほんとだよ。
もちろん乱用したらただの“言葉を捜す努力すらしない言葉”になってしまうけれど。
話はズレるけれど、本読みは、著者の紡ぎ出す話や世界に魅了されるだけではなく、自分が言葉に出来なかったココロを言葉にして表してみせる彼らの才能、努力に感動するのだ。

言霊という言葉、実はあたしも今日思い出していた単語だったのです。

by nao :: 02:13 :: diary

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2 comments


  • 僕は話すの好きだけど、フォーマルな話し方が苦手なんです。そういうときは一旦文章に書いてよく添削してからじゃないとダメ。だからとっさのコトバは出てこないです。
    感受性の豊かな人はなかなか言葉にならないってこともあるんじゃないかなあなんて勝手に思っています(^^9

    by んちば — April 10, 2006 @ 6:49 pm

  • 普通の会話は、表情とか他に伝えるものがあるから割と安心だったりするんですよね。証拠が残らないし(笑)。
    フォーマルなものはたいてい事前に用意が出来るからまぁなんとかなったり。あ、あたしが世間的な立場としてあまりそうゆう発言を求められない位置にいるからそう感じるのかもですが。

    今のメール文化は普通の会話のノリで、でも後に残るしで、実はメールというものがあたしにとって案外とても気になる媒体だったりします。

    by nao i — April 11, 2006 @ 12:43 am


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