Feb 6th, 2007

dvd :: ぼくを葬る

“ぼくを葬る”、「葬る」と書いて「おくる」と読ませています。原題の“le temps qui reste”は“The Time which remains”、残り時間だよね?邦題付けるのにヤル気を感じました(笑)。だって最近あんまり「お。」って思うのなくない?



話はゲイでフォトグラファーの主人公が癌で余命を宣告されるところから始まるの。

ゲイで若くして余命僅かという設定であえてHIVではなく癌としているところで同じ30代としての共感が深くなったのでした。昔に比べて自分自身のHIVへの心配度が薄くなっているせいもあるけど(潔白な生活のおかげで/笑)、ゲイ=HIVという図式に当てはまっちゃうとテーマがずれちゃってヘテロには“よその世界のお話”的になっちゃう気がするので。あ、ついでに昔、エルヴェ・ギベールの“ぼくの命を救ってくれなかった友へ”を読んだんだけど、もし自分がHIVになった場合と、彼らのように仲間がいて、それぞれに抱えているものを分け合っている状況とでは差があるなぁと思ったのでした。今の状況でもし万が一HIVに罹った場合を想像すると恐ろしい。まず、家族が。

…すっかり話が逸れましたが、30歳で癌。あとほんの少ししか生きられない。
彼の家族や世界との繋がり方がなんとなくあたしには自分に近い気がして共感しつつ歯がゆかったり。もっと若くて独り立ち出来てない頃だったら家族へ打ち明けるもなにも最初の段階で否応なく家族で分かち合われるものになるのに、自分で病院へ行って一人で宣告を受けた場合に、果たしてあたしも家族にそのことを告げられるかなぁと思った。日本の病院だとまず宣告の際に家族を呼ばされるのかな。うちのおとんの病気(癌じゃないけど)は病名は先におとんに知らされたけど後で詳しい病気の説明を家族も呼んで改めて日時を設定して行われたのでした。あー、でもなんとなくあたしだったら家族は来られませんとか言ってしまいそう…。

それでもちゃんと彼なりの救いのもとに彼は余命を生きるの。その“彼なり”のスタイルはよくある“余命を一生懸命生きる感動の映画”とは違う。それが観ていて受け入れやすく感じたのでした。ひねくれてるのかな。でも、もともとこの映画はオゾン監督が自身を主人公に投影しているというだけあってやっぱりリアリティがあるんだと思う。
きっと納得いかないひとと、うちみたく感じるひとと分かれるんだろうな。

そうそう、ジャンヌ・モローが素敵でした。

by nao :: 19:38 :: dvd/cd/book...

line.gif

2 comments


  • この映画、naoさん好きそうだなーと思って、密かにレビュー待ってましたよぉ。:D
    面白そうなので、私も観てみます。

    by tomo — March 7, 2007 @ 8:40 am

  • おほほ、読まれてましたね(笑)。ええ、キーワード的に興味あるものばかりで観ずにはいられませんでした(笑)。
    ぜひぜひtomoさんも観てみて! :)

    by nao i — March 10, 2007 @ 1:02 am


comment!