Feb 15th, 2007

dvd :: Frida

中学校だったか高校だったか、美術の教科書にちいさく載っていたいくつもの有名な画家の作品の中で強い印象を受けた作品はそんなに数多くない。ひとつは…誰の作品だったかよく覚えてないんだけど、ジャングルの絵。ゴーギャン?ルソー?誰だろう…すごい印象に残ってるのにタッチがどんなだったかすら覚えてない(笑)。それとクリムト、そしてフリーダ・カーロ。
眉毛が繋がっていて、ヒゲも生えてて、時々男装をする画家だと言われて余計に気になる存在だった。そんな彼女の映画。公式サイトはここ

公開当時も気になっていたんだけど、なんとなくつまんなくてがっかりするのが嫌でスルーしていたんだけど、今まで観ないでいて損した。フィクションと捉えても楽しめるくらいに画、音、話に楽しめました。あたしとしては珍しいんだけど、特典映像の監督コメント付きバージョンまで観てしまった。監督さんが女性だったってことで納得。なんとなくね、やっぱり、だからかー、みたいな。
メキシコの土地柄も多分にあると思うんだけど、フリーダ・カーロのポップな色彩の中の真剣さとか生命感とか、昔、教科書に載っていたちいさな写真の中で惹き付けられた理由がちょっと分かった気がする。呼ばれてたというか…(笑)。

なんとなく、あの絵を観ていてふと思い出したのは昨年の冬に観に行った石田徹也でした。もちろん、事故でどうしようもなく痛みだらけの体と共存せざるを得なかった彼女と、体は(あたしが知る限り)不自由なかった彼とは違うんだけど、でも痛みの中に自分を見いだしてる姿を描き付けている姿は少しだぶる部分もあるような気がしたのです。その表情のせいかも知れない。

どういうわけか、すっかり冷え冷え淡々なあたくしなのですが、メキシコとか南米とか、あの辺のものに触れるとどうーしようもないくらいに沸き立つものがあるのでした。ううむ、もしかしたらあたくしほんとはパリっ子なのかも知れません(スカしていてもラテンの血)。

映画本体の話に戻ると、フリーダを演じたサルマ・ハエックが素晴らしいです。フリーダの高校時代から中年までを1人で演じきったんだけど、他人種であるがゆえの甘さ(多人種の年齢の見極めは難しいという意味でね)はあるかもしれないけれど、違和感を覚えずに素直に観ることが出来ました。
特典映像で監督が言っていたんだけど、監督はアメリカ人だけど、スタッフはかなりの割合で現地のひとを入れているのだそう。時々アメリカ人が撮った他国の映画でぜんぜんその国の匂いのしない映画があるけど、この映画にはその土地の雰囲気が感じられたのでした。
そいえば、監督さんはアメリカ人で、おそらくは出資もアメリカだったと思うんだけど、メキシコロケで撮っていて、NYやパリでのロケの予算がなかったなんて…(笑)。その分がたぶん美術に行っていたんだと思います。フリーダ担当の美術チームと、フリーダの夫で画家のリベラの美術チームと、美術チームが分かれてたなんて言うくらいなので。
しかも、音楽もかなり!好み。昔のテープ聞きあさってて気に入った歌手に他のテープ借りに行ったら当の本人が歌ってくれたなんてエピソードがあったと思ったんだけど、それがもう90歳だかのお婆さんで、ものすごい迫力(枯れた強さとでも言えばいいかな)。しびれた。

とりあえず、この映画、1週間レンタルの元をじゅうぶん取れるくらいに何回も観ました。また借りたくなっちゃう前に購入を前向きに検討したいと思いますです。

…と2/15付けのエントリを1ヶ月近く放置してたんだけど、今日飲みに(ひとりで/笑)行ったお店でお話したひとに「最近観たDVDでよかったのは?」と聞かれてこの映画を答えたら予想に反して(笑)彼女もこの映画好きだったという記念にアップしてみました。つか、お互いにまさか知ってるとは!みたいなノリでした。うん、静岡ってそうゆう町だもんでね。

by nao :: 22:59 :: dvd/cd/book...

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2 comments


  • 私はずいぶん前に観たので、細かいところは忘れてしまいましたが、おもしろかったのは覚えています。
    色彩とか衣装とか風景とか、「あー、メキシコに行きたいー!」と思わせてくれる映画でした。:)

    by tomo — March 15, 2007 @ 7:15 am

  • さすが、観てましたか!
    まさに今、「あー、メキシコ行きたい!」なのです(笑)。行きたいー!メキシコ!
    (+北京も行かなくちゃ!な気分なのです。2008年までに!…やっぱりこれも映画観ての影響なのですが/笑)

    by nao i — March 17, 2007 @ 12:42 am


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