May 27th, 2007

dvd :: シティ・オブ・ゴッド

Cidade de Deus.2002年ブラジル
あちこちで語られてたり、例えられてる(“どこどこの国版シティオブゴッド”とか“シティオブゴッドに次ぐ名作だ”とか)作品なので観ようと思いつつ、バイオレンスものという括りで見ていたのでなかなか手が出なかったの。
観てよかった。暴力、それも救いようのない暴力がいっぱいだけど。



まずは主人公がフォトグラファー志望というところからグッと来たわけですが、最初のナイフを研ぐカットが細切れに入っているところから“祭り”の高揚感と不安感が感じられてするりと映画の世界に入れてしまった。

3部に分かれたそれぞれに映像の工夫を凝らしているところとか、解説聞かないと気づかなかったんだけど、それらが意識下で狙い通りに認識できてしまっていたくらいに的確ですばらしかったです。

何よりもすばらしいと思ったのは、出ているひとたちのほとんどが素人(その舞台の町に実際に住んでいる住民)であったこと。これもブラジル人俳優をあまり知らないあたしはまったく気づかなかったくらいにすばらしかった。演技を感じさせないのって素人には難しいと思うんだけど演技を感じないの。もちろんリアルの自分と近い役を演じているからというのはあるだろうけど、そうばっかりでもないよね。素人俳優だって知ったときにはびっくり、感動したのでした。

いくつもの逸話と何人もの登場人物が積み重なって出来ているんだけど、主人公ブスカペの視点で語られているので、友達の話を聞いているみたいに理解出来た。主人公の影が薄いって言われてたけど、全然そういう風には感じなかった。主人公が何をやるか、じゃなくて主人公の視点で観る感じ。その彼の視点が比較的公平であることがオープニングの鶏捕まえるところで語られてる。
銃が怖くてギャングにも警官にもなりたくないというブスカベのおかげか、品のある監督のおかげか、血なまぐさい話だけど、方向性は違って観ることが出来た。貧民街の子供たちの将来や警官の汚職とか、もちろん気になることはいろいろ出てくるんだけど、全体を何かやさしいものが包んでるというか。
映画としてもよくできた映画。ストーリー、ライブ感、映像、音楽、どれを取ってもすごい。というかすっかりハマってしまいました。
ついでにベネに恋した(笑)。

この映画はほんっきで何本もある“今まで観ないでいて損した”映画のトップ3(これと“ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ”と“フリーダ”)入りですわ。つか、非常にこのトップ3偏ってますね…。地域が全部ラテンアメリカ(笑)。

//たまらずにDVD買っちゃったー。初回の2枚組のほう。サントラも欲しいんだけど、サントラはamazonじゃないほうが(派遣の福利厚生)ちょっと安かったのだ。DVDも廉価版は派遣のほうのが安かったんだけど、2枚組はamazonのほうが安かった。どっちも送料無料(福利厚生のほうは金額関係なく送料無料なのでかなり使える☆商品数は?だけど。)

by nao :: 21:55 :: dvd/cd/book...

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2 comments


  • やーーーっと観ました。
    ものすごく良かったです。久々の私の中の大ヒット作です。これははまるね。:)

    スピード感やストーリ的にはこれに比べるとちょっと↓ですが、南アフリカを舞台にした「ツォツィ」をちらっと思い出しました。機会があったら観てみてください。:)

    by tomo — December 12, 2007 @ 4:55 am

  • ねー、これ、はまりますよね。
    DVD買っちゃいましたが、何回繰り返して観たことか…。そして音楽も何回聴いていることか…。(しつこい/笑)

    この監督の「ナイロビの蜂」も気になっているんですが、内容が難しそうでなかなか手が出ずにいますです…。

    ツォツィ、さっそく「ぽすれん」でマイリスト登録しました。今借りてるの返したらさっそく観てみまーす。 :)

    by nao — December 14, 2007 @ 5:15 pm


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