Nov 16th, 2006

ブラティスラヴァ世界絵本原画展

でもって、石田徹也展の後は前々から「今日行こう」と心に決めていたブラティスラヴァ世界絵本原画展(@静岡アートギャラリー)。
なぜ「今日行こう」と決めていたかと言えば、土日は絶対に家族連れとかカップルとか多くて、ひとりでじっくりひっそり楽しみたいあたしにはうれしくない状態になってるだろうと予想されるからでございますです(笑)。

これね、分かるかなー?チケットを折るとポップアップになってるの。さすが絵本原画展! :)



もーさぁー、入ったとたん、今まで見てた絵との世界の違いに…(笑)。

入ってすぐが昨年秋に行われたBIB(Biennale of ILLUSTRATIONS Bratislava)第20回展でのグランプリ作品だったんだけど、イランのアリ・レザ・ゴルドゥジャン氏の『黒鉛筆と赤鉛筆』、….もー、あまりの素敵っぷりに「ぶほっ」て声が出るくらいに(やっぱり土日に行かなくてよかったとあらためて自分の判断が正しかったことを確認)ツボ!かーわいいーっ!!!たまんねー。鉛筆のお話なんだけどさ、鉛筆の削りカス、本物を貼ってあるの。それが絵とうまく調和してて、なんて素敵なんでしょう。きゃー。
このひとの絵のタッチとか色の使い方とか字とかかなり好みでした。
ペルシャ語分からないけど欲しいと思った。
というか一冊実際の絵本が置かれてたので、きっと最後のところでグランプリのんくらいは売られてるだろうと予想、自分の分と友だちへの贈り物(旦那さんが素敵なイラン人で超キュートなちびっこが2人いるのでお久しぶりのご挨拶と翻訳してもらえるメリットを素早く計算/笑)で2冊買って帰ろう。…と思ってたら売ってなかった。がっかり。ちうかお約束なポストカードも『黒鉛筆と赤鉛筆』のんはなかった….。がーん。
このアリ氏のもう一冊の絵本、『穴のあいた靴下』もかわいかったんだけど、置いてあった実際の絵本はちょっと印刷の質がよくなかった気がした。せっかくの素敵な色味が生かされてないよー。かわいそう…。
とにかくこのひとの絵は色がキラキラしていて原画で見る価値がオオアリクイなのでした。誰かクリスマスプレゼントにくれないかなぁー、原画(笑)。
…というくらいに自分のものにしたくなるような素敵な絵だったのでした。
ちなみにどの作品もですが、実際に展示されてる原画は作中の数点のみ。全部観たいよぉーっ!
本展に行けば見れるのかしら?チェコには昔から行きたかったしなぁー。…って実現するの何年後になるだろう?(チェコに行きたいと言いはじめてすでに10年/笑)

その他にももりもり素敵な絵がたくさん。
BIB入賞者の中には日本人作家さんもいましたよ。酒井駒子さん。
『金曜日の砂糖ちゃん』というこれまた素敵な絵本。これは絶対にちびっこよりもそのお母さんが惚れて買ってしまう本だなぁと思いました。(子供の頃、おかんがいわさきちひろさんのものを買ってきてもピンと来なかったのを思い出した)

ギャラリーは3部構成になっていて、各国の受賞作品が第1部、第2部は日本人作家の出品作品、第3部はチェコの1920〜30年代の絵本と原画の展示。

4776400820第2部は日本人作家というわけで第1部の異文化の香りはないのでどちらかというと見慣れた感じ。
その中のなりたさとこさんの『かかしごん』にがっつり惹かれました。
OHPフィルムと墨で作られた絵なの。中学の美術のときにやったのと多分似たようなやり方かなと思うんだけど、OHPフィルムに墨を塗ってそれを削ってるんだよね?違うかな?(中学のときは片面に黒い何かを塗ってあるガラスを彫刻刀で黒い部分を削っていってステンドグラスみたいのを作ったの)
それがもうほんとに気が遠くなるような細かい絵でねー。それをコツコツと作り上げていった作家さんの心意気とか絵への愛情とかスゲイなぁーと思ったのでした。
多分本屋さんにあるんじゃないかな?もし本屋さんで見かけたらぜひ見てみて!
ついでにそこまで細かいことはできないけど、この手法、ちょっとマネして何か描いてみたいなぁーと思いました。

第3部はヨゼフ・ラダとかチャペック。 :)
ラダは名前は知らなかったけど「ああ、この絵どこかで見たことあるー」って感じでした。見ててデザインの勉強になりそう。黒ビールの広告んのがかわゆくてポストカード買って帰ってきたのでした。ふふ。
あ、それと第3部のとこにはチェコで出版された日本昔話の本も展示されていて、表紙だけなんだけど、どれもおどろおどろしい絵でびびった(笑)。なんでやー。

絵本の原画って今回初めて見たんだけど、子供の頃無邪気に見てた絵本がこんなに情熱込めて作られたものだったんだーって改めて感じるものがありました。
今度実家帰ったらおうちにまだある絵本をも1度読み直してみようと思います。
(うちには洋書絵本がけっこうあるのだ。おとんの鉛筆書きの翻訳付きで。“くまのコーちゃんは…”とかどうゆう顔して書いてたんだろうと前から不思議だったり/笑)

by nao :: 02:46 :: art

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