May 12th, 2009

dvd :: おいしいコーヒーの真実

先日の“いのちの食べかた”を返したときに、借りてきました。
よっぽど“いのちの食べかた”が興味深かったと見えて、これはスペイン語じゃないナレーションが入るけどそれでも観たいということだったので。

“いのちの食べかた”はかなり淡々と現状を映し出し、敢えて問題提起は観客に委ねる感じでした。
対して、こちらはコーヒー生産農家の窮状と、フェアトレードへの取り組み(NY取引の不当な価格が背景にある)というはっきりしたテーマを基に撮られていました。
同じ“食を追う”映画でも、見ている部分が違うのでその辺の在りようは異なって当然。

あ、うちのぐだぐだを読むのはめんどくさい方もぜひ映画の公式HPは読んでみてください。



最近はネットでおいしいコーヒーが手ごろな値段で買えたり、チェーンのコーヒーショップで気軽にコーヒー飲めたりと、以前に比べてかなりコーヒーが身近なものになってきたように感じます。
昔は喫茶店で小さなコーヒーカップ1杯で500円とか、そんな感じだったからね。
それと国際コーヒー協定の破綻とが直接影響しているかは分からないけれど、その手軽に飲めるコーヒーの背景には、売れば売るだけ赤字になるコーヒー農家の苦悩があるのだというのを今さらながらに知りました。

フェアトレードのコーヒーというのが存在することは充分知っていたし、買おうと思ったことも何度かあったんだけどね(結局いつも飲みなれているのを選んでました)。
フェアトレードってなんとなく途上国の発展後援っていうボランティアっぽい匂いを感じてたんだけど(特に民芸品の類をフェアトレードの名前を掲げて高値で売ってるお店を見てると、ついつい)、そうじゃなくてコーヒーみたいに不公平な貿易がまかり通っているのを見直そうってことなんだよね。
実際、映画の中で1キロあたりのコーヒー豆(精製されたもの)の価格が何度も出てきたけど、あまりの安さにびっくりしました。もちろん、そこから輸入、焙煎等の工程は必要不可欠だけれども、それにしても…というような値段でした。
これからは本当に、コーヒー買うときはフェアトレード商品を選ぼうと改めて思いました。フェアトレードなんて言葉がわざわざ使われるような世の中なんて気持ち悪いもんね。

うちのだんなさんはペルー人、ペルーでもコーヒーは作っています。彼が生まれ育ったのは首都を擁するリマ県なので、コーヒーを作っている地帯(アンデス地域)とは離れていますが、やはり他人事では無く思えるので尚更、コーヒー生産者を苦しめない商品を選びたいと思いました。

ちなみに、日本でペルーのコーヒー豆ってあんまりポピュラーじゃないですが、生産量は世界で10番目くらいらしいです(1位は他を圧倒的に引き離してブラジル)。そしてうちのんによると、有機栽培コーヒーに関しては4番目になるらしく、かなり有機栽培が盛んらしいです。
有機栽培って大変ですが、生産者側で考えても農薬による健康被害の問題や有機栽培であることで付加価値が付き高値の取引が可能であることとか考えるとこれからもっと盛んになっていくべきだと思います。まぁ、他の野菜などもそうなんだけど…(一番はやっぱり農薬使用量が半端じゃないのでコットン)。

あ、そうそう、映画に話は戻ります。
この映画、管轄しているコーヒー生産者の豆を適正な値段で買ってもらおうと各地に飛び回り奮闘しているエチオピアの男性を追っていました。
その男性が、イギリスだったかな?のスーパーのコーヒーの商品棚を見てエチオピアの豆が並んでいないことに、あんなに安く買われて、その上消費者に届いていないなんて…と嘆くシーン、それとエチオピアのおうちで奥さんが、「彼はいつも家にいないけれど、彼を誇りに思っているわ」と語ったシーンが(後者は同じ嫁の立場として)印象的でした。

うちのんと観たときはところどころやさしい日本語で説明しながら観たのでちょっと落ち着かなかったので、またもう一度ゆっくり観たいと思います。

by nao :: 16:07 :: dvd/cd/book...

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